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4007UBというIC

あまりに情報が少ないので追加。まあ需要も少ないわけですが。

4007Bまたは4007UBとは、CMOSロジックICである4000Bシリーズの1つです。UBかBかはメーカーにより違いますが、中身は同じです。(というかこの製品にはUB[出力バッファなし]かB[出力バッファあり]の違いが存在しない。)4007UBはその中でも特殊で、コンプリメンタリなMOSFETが2組と、MOSFETのソース端子が引き出されたNOTが1つ含まれています。詳しくは図をご覧ください。
4007ub3.png
ご覧のように、少しずつ異なる接続のMOSFETが3組あります。
ダイオードがいっぱい付いていますね。これは、CMOS-ICのやMOSFETの構造上、意図しなくてもこのようなダイオードが出来上がります。意図して作ったMOSFETに寄生するようにくっついているので、「寄生ダイオード」と呼びます。詳しいことは、割愛。なお、基本的にこの「寄生ダイオード」には電流を流してはいけません。どうしても流すときは10mA以下にします。
それから、すべての端子にVDDを超える電圧、VSSを下回る電圧を加えてはいけません。この辺は一般的なCMOS-ICの基本ですが、ただのMOSFETの詰め合わせに見える4007UBにも適用されるので注意です。

こんなもの何に使うのか?と思われるでしょう。
実はこれ、繋ぎ方を変えれば、NOTや、2入力のNAND,NOR,AND,OR、そしてORとNAND,ANDとNORの組み合わせ、そして3入力のNAND,NOR、さらに3ステートNOTやアナログスイッチ、アナログマルチプレクサなど、さまざまなゲートにすることができるのです。応用はデータシートにもある程度載っています。実際の回路がどのように構成されるのかが分かるので、勉強にもなりますし、1個だけANDが欲しいとか、ORとNANDの組み合わせが1組欲しいという用途にも使えます。その他、工夫次第で変則的なロジックを組むことも可能です。

そんなマルチパーパスな4007UBですが、内蔵する素子数が少ないゆえに実装密度が低くなりますし、NANDならNANDのみの4011Bとか、専用のロジックICを使ったほうが手軽であるからでしょう、知名度も使用例も非常に少ないです。
しかも、ほとんどのメーカーが早々に見切りを付けて廃品種にしてしまったようで、そのせいか、データシートの等価回路図によく誤植が見受けられます。(14-2-11ピン間と7-4-9ピン間がそれぞれ繋がっているように書かれている。このPDFの3ページとか。)
廃品種といっても、共立電子などではまだ手に入ります。

以下に使用例を置いときます。
4007利用
使用例1 1つプルダウン抵抗を使った強引なのがありますが…

20110126225321bf2.png
使用例2 低消費電力の発振器

4007利用3
使用例3 低い電源電圧のロジックから高い電源電圧のロジックへの信号伝達。抵抗器の調整が必要な場合あり。入力閾値電圧も不安定になりますが、アマチュア的には十分使えます。

もちろん、空きピンを正しく処理すれば、MOSFETを単独で使うこともできますし、それを使ってA級のアナログアンプやソース側にも抵抗を入れた低消費電力のアナログアンプを作ることもできます。ただ、普通のアナログアンプなら4069UBか74HCU04を使うことをお勧めします。アマチュア的作例でアナログアンプに使う例がありますが、4007を使う意味はあんまりないです。
迷列車ならぬ迷ICで行こうシリーズがあったらこれを推薦しときます。

そういえば、昔むかしのIC(ハイブリッドICでしかもDTLとかRTLとか)は、こんな風に素子がバラバラに詰め込んであって、外部の配線でロジックゲートを構成するのが結構あったようです。
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